連なることが意味を持つのなら私たちの吐く息で蝋燭の火を消したい(とは思えなかった)。ふたつのすぼめられた唇からあふれる息を混ぜ合わせることでひとつの炎を消してしまいたい(と思いたかった)。息なんて吹かなくても風が過ぎて火が触れる。ふたつの心を重ね合わせると揺れる(揺れない)。待機する(しない)。本を読みたい(とは思えなかった)。だけど焦る(のはいやだから/消えて)。すぼめられた唇はあの日の屋上で横になったまま見た富士山のように先っぽに皺を寄せながら待っている。噴火する(冷たいマグマ)。もう空は青くあたたかくなっていてだからもう(しない)。したかった。待って。待ちたくない。駆け抜けて曲、かけて。止めて(止めないで)指。に、釘、指す。出る、血。あふれた(吸い込む)。ありふれた逆再生の噴火。冷たいマグマ。鉄が刺さった指から鉄の味が走り出す(とは思えなかった)。蝋燭を近づけると嫌そうな顔をしたあなたが唇を震わせる(のはいやだから)。舐めて、こぼす。もう少しだけ知識が欲しい。落ち着いて、吸って、吐いて。はじめてのことだから難しいよね。海。青くないんだってことを教えてあげたい。別に、いつも。いつだって。灰色でね消えかけの蝋燭みたいに不安定なままの僕はたぶん苦いコーヒーで染みたまま洗っていない指のしょっぱさをつかって謝るのは嘘みたいだから、たぶんこれはあなただけの問題ではない。僕のせいで困らせてごめんなさい。灰皿。しかし誰かの意思によってなかったことになりたい。街灯に照らされた男性器。どうにかしてほしいという気持ちと、どうにでもなれというのはまったく違う。波なのか海なのか。そもそもどこからが空なのか教えてほしい(とは思えなかった)。まだ揺れている蝋燭はふたりの関係を客観視するための北京ダックなのです。
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